
院長:武智お気軽にご相談ください!
半年以上にわたり口腔内の不快感・痛みが続き、歯科・口腔内科でも原因が見つからなかった女性(50代/会社員)の改善事例をご紹介します。


約半年前から口腔内のピリピリ感・異味感が続き、歯科・口腔内科でレントゲン・CTを実施したが「特に問題らしい問題はない」と説明されていた。
痛みの中心は上あご寄りで、ひどい時は舌の裏側がピンクっぽく「ただれているような」感覚になることがあった。ザラザラ感が主体で、悪化するとヒリヒリに変わっていた。特徴的だったのは夕方〜夜にかけて増悪し、時に「耐えられない」ほど強くなること。一方、朝の起床直後は感じにくく、良い時と悪い時の変動があった。
食事は通常通り可能で味覚異常はなく、唾液量も自覚的には「普通」だった。
数年前から歯間に物が挟まる感覚などの異常感が続いており、該当部位の治療で一部は改善していた。過去に歯列矯正を実施しており(終了は1年以上前)、矯正器具による粘膜刺激の記憶が不快感に影響している可能性も考えられた。
食いしばり対策として就寝時のマウスピースを使用しており、歯科からは噛み合わせ・歯ぎしり・精神的要因(気にしすぎ等)の可能性を指摘されていた。耳鼻科受診は未実施だったが、喉・鼻由来の可能性についても言及があった。
インターネットで口腔内不定愁訴のことを調べていたら当院のことをみつけ来院された。
初回検査結果は以下の通り
検査結果の分析により症状に関連が強い因子として、顎周囲〜頸肩の筋緊張(食いしばり・噛み合わせ由来)、唾液分泌の低下、鼻腔コンディション、自律神経の不安定性と判断した。


鍼灸治療を基本とし、マッサージとHBC療法(ソーマダイン・アルファキュア)を併用した。
仰向け、うつ伏せ、横向きで施術を開始した。深部への強圧でなく体表への適切な刺激量で施術した。
夕方・夜の痛みが軽減し、イライラが減った。 日常的な違和感は残るが「耐えられる」レベルに変化。
口の中の不快感がぼんやりした感覚に変わってきた。 鋭い痛みから鈍い感覚へのシフトを実感。
朝の症状がほぼ消失。仕事中の集中時には感じなくなった。 不快さのピークが低下。雨の日に若干のぶり返しあり。
直前の5日間は良好な状態が続いた。ただし風邪により口腔内が荒れ、腫れぼったい印象があった。
風邪が治癒してから安定した状態が続き、不快さが軽減。 口の中の苦み・唾液の粘っこさが気になる段階に変化し、痛み・不快感はほぼ消失に近い状態。 口の奥の粘っこさは残るが、唾液不足の印象はなくなった。
少しずつ着実に和らいでいる状態が継続し、大きな悪化がなくなり、安定した経過が定着。
口の粘膜がずるっとむけたような感覚があるが、食べ物がおいしく感じられるようになり味覚が回復し日に日によくなっていることを本人が実感。 改善の継続を確認。
症状が出る状況をだいたい予測できるようになり、精神的な動揺がほぼなくなった。
症状が安定したため、来院ペースを変更。 維持・予防段階へ移行。
口腔内の異常感覚は、検査で異常が見つからないケースが多く、患者さんが「原因不明」のまま放置されやすい症状の一つだ。単一の原因ではなく、唾液の低下・鼻副鼻腔の不調・顎関節や食いしばり・頸肩こり・胃腸の疲れといった複数の因子が絡み合って生じていることが多い印象があります。
「脳の誤作動」という説明では夕方以降に限定して増悪する経過を説明しきれず、むしろ異物や痛みに対する感覚の鋭敏化に近い状態と考え、今回のように、鍼灸による複合的なアプローチを継続することで、痛みの鋭さが和らぎ、やがて症状が出る状況を予測できるほどの安定を取り戻すことができた。症状の予測ができるようになると精神的な動揺も消え、生活の質が大きく改善できたと考えられる。
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