
院長:武智お気軽にご相談ください!
こんにちは、たけち鍼灸整体院・名古屋名東院のたけちです。ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなる突発性難聴。その診断を受けたとき、多くの方が一番気になるのは「自分の耳は元に戻るのか」という点ではないでしょうか。
治療を始めるにあたって、どれくらいの確率で回復するのか、どんな要因が治療成績を左右するのか。そうした不安や疑問を抱えながら、インターネットで情報を集めていらっしゃる方も多いと思います。私自身、これまで多くの患者さんと向き合ってきた中で、予後に関する質問は本当によくいただきます。
今回の記事では、突発性難聴の予後について、治療現場で実際に見てきた経験を踏まえながら、できるだけ具体的にお伝えしていきたいと思います。


予後を正しく理解することで、前向きに治療に取り組めるようになります
突発性難聴の治療を受けた方の予後は、大きく分けると3つのパターンに分かれるとされています。医療機関での統計データによれば、約3分の1の方が完全に聴力を取り戻し、3分の1の方が部分的に改善、残りの3分の1の方は残念ながらあまり変化が見られないという結果が報告されています。
この数字だけを見ると「完治する確率は3割しかないのか」と落胆されるかもしれません。しかし、ここで大切なのは、予後を左右する要因をしっかりと理解し、できるだけ早く適切な対応をとることです。回復の可能性を少しでも高めるためには、発症後の行動がとても重要になってきます。
また、完全に元通りにならなかった場合でも、部分的な改善が得られれば日常生活の質は大きく変わります。補聴器などの選択肢もありますし、工夫次第で仕事や家庭生活を十分に送ることができます。予後が必ずしも「完治か無治療か」という二択ではないことも、ぜひ知っておいていただきたいと思います。
突発性難聴において、最も予後に影響を与える要因の一つが治療開始のタイミングです。発症から48時間以内、遅くとも2週間以内に治療を開始することが理想とされています。これは内耳の細胞が血流不足によって傷んでいる状態が長く続くと、徐々に回復が難しくなっていくためです。
当院にいらっしゃる患者さんの中にも、「最初は様子を見ていたけれど、なかなか良くならなくて」と数週間経ってから来られる方がいらっしゃいます。もちろん諦める必要はまったくありませんが、早ければ早いほど改善の可能性が高まるのは事実です。
発症後1か月を過ぎると、聴力がある程度固定されてしまうことが多いとされています。そのため「おかしいな」と感じたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診することが何よりも大切です。私たち鍼灸院での施術も、病院での治療と並行して早期に開始することで、より良い結果につながることが多いと実感しています。
突発性難聴にめまいを伴う場合、一般的には予後が厳しくなる傾向があります。これは内耳の障害が聴覚だけでなく平衡感覚にも及んでいることを示すためです。特に回転性のめまいや吐き気を伴う場合は、内耳へのダメージがより広範囲に及んでいる可能性が高いと考えられます。
ただし、めまいがあるからといって必ずしも予後不良とは限りません。早期の適切な治療により、めまいと難聴の両方が改善するケースも実際に存在します。大切なのは、自分の症状を正確に医療者に伝え、適切な診断と治療を受けることです。
当院でも、めまいを伴う突発性難聴の患者さんに対しては、内耳への血流改善と自律神経のバランス調整を重視した施術を行っています。顎関節や首周りの緊張を丁寧にほぐすことで、内耳への血液循環を促していきます。全身のバランスを整えることが、予後改善につながることも少なくありません。
発症時の難聴の程度も、予後を予測する上での重要な指標になります。高度難聴や全聾に近い状態から始まった場合は、残念ながら完全回復が難しいケースが多いとされています。一方、軽度から中等度の難聴であれば、比較的予後が良好な傾向があります。
また、年齢も無視できない要因の一つです。一般的には若い方のほうが回復力が高く、予後が良いとされています。とはいえ、年齢を重ねた方でも適切な治療とケアによって改善するケースは数多くあります。年齢だけで諦める必要はまったくありません。
聴力検査の結果を見ながら、現在の状態を客観的に把握することも大切です。当院では患者さんに聴力検査表をお持ちいただき、データと症状を照らし合わせながら施術計画を立てています。数値の変化を追うことで、治療の効果を実感していただきやすくなりますし、モチベーションの維持にもつながります。
突発性難聴の背景には、過労やストレス、睡眠不足といった生活習慣が関わっていることが非常に多いです。発症前に仕事が忙しかった、家庭のことで悩みを抱えていた、といったお話を患者さんから伺うことは本当によくあります。
こうした要因は発症の引き金になるだけでなく、予後にも影響を及ぼします。治療を受けながらも同じようなストレスフルな生活を続けていると、体の回復力が十分に発揮されません。自律神経のバランスが乱れたままでは、内耳への血流も安定しにくくなってしまいます。
治療と並行して、生活習慣を見直すことも予後改善のために欠かせません。睡眠時間をしっかり確保する、休息の時間を意識的に作る、栄養バランスの良い食事を心がける。こうした地道な取り組みが、体本来の治癒力を引き出すことにつながります。
糖尿病や高血圧といった基礎疾患がある方は、血流障害が起こりやすく、突発性難聴のリスクが高まります。また、こうした疾患をお持ちの方は予後もやや厳しくなる傾向があるとされています。血管の状態が良くないと、内耳への酸素や栄養の供給がスムーズにいかないためです。
ただし、基礎疾患があるからといって回復しないわけではありません。むしろ、この機会に全身の健康状態を見直すきっかけにしていただきたいと思います。血糖値のコントロールや血圧管理を徹底することは、難聴の予後改善だけでなく、将来の健康維持にも大きく役立ちます。
当院では、栄養解析や血液検査データの確認を通じて、体質面からのアプローチもご提案しています。提携している医療機関と連携しながら、内側から体を整えていくサポートも行っています。単に耳の症状だけを見るのではなく、全身の健康状態を底上げすることが、予後を良くする鍵になります。
残念ながら治療を尽くしても聴力が戻らなかった場合、どのように生活していけばよいのか不安に感じる方も多いでしょう。しかし、現代では補聴器やクロス補聴器といった優れた補助具があり、日常生活の質を保つことは十分に可能です。
片耳だけの難聴であれば、反対側の耳を大切にしながら生活することで、会話や仕事に大きな支障が出ないケースも多くあります。職場や家族に状況を伝え、理解を得ることも大切です。聞き取りにくい側からの声かけを避けてもらう、静かな環境で話すようにするといった配慮をお願いすることで、コミュニケーションのストレスは軽減できます。
また、再発のリスクは低いものの、反対側の耳に同じ症状が起こる可能性もゼロではありません。そのため、ストレス管理や生活習慣の見直しは継続して行っていくことをおすすめします。予防の意識を持ち続けることが、将来のリスクを減らすことにつながります。
病院での標準的な治療に加えて、鍼灸治療を併用することで予後が改善する可能性があります。鍼灸には内耳への血流を促進し、自律神経のバランスを整える働きがあるとされています。特に首や肩周りの緊張をほぐすことで、耳周辺への血液循環が改善されることが期待できます。
当院では、耳の周囲だけでなく顎関節や全身のツボにアプローチすることで、体全体のバランスを整えていきます。顎関節と内耳は解剖学的に近い位置にあり、顎の動きが悪いと内耳への血流も滞りがちです。全身を診て調整することが、局所的な症状改善につながるのです。
発症後1か月以内であれば、鍼灸治療による改善の見込みは十分にあります。理想を言えば発症から1週間以内に施術を開始できると、より良い結果が得られやすくなります。週に2から3回の施術を継続し、5回から10回ほどで何らかの変化が現れるケースが多いです。
予後を良くするために患者さん自身ができることは、まず何よりも早期に治療を開始することです。そして病院での治療を受けながら、生活面でもできる限りのことを行っていくことが大切になります。
こうした日常の小さな工夫が、体の回復力を高めることにつながります。治療は医療者だけが行うものではなく、患者さん自身の生活の中にこそ改善のヒントがあるのです。
また、治療の効果を客観的に確認するため、定期的に聴力検査を受けることもおすすめします。数値の変化を追うことで、今の治療方針が適切かどうかを判断する材料にもなります。当院でも検査データを共有しながら、一緒に治療計画を見直していく姿勢を大切にしています。
突発性難聴という診断を受けたとき、多くの方が「このまま聞こえなくなったらどうしよう」という強い不安を感じます。仕事への影響、家族とのコミュニケーション、経済的な心配。さまざまな思いが頭をよぎり、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
しかし、不安を抱えたまま過ごすことは、ストレスを増やし、かえって予後に悪影響を及ぼす可能性があります。医師や鍼灸師、家族や友人など、信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、心は軽くなるものです。
私自身、これまで数多くの患者さんと向き合ってきましたが、予後が良かった方に共通しているのは、前向きに治療に取り組めていたということです。そして、その前向きな姿勢は、周囲のサポートや正しい情報に支えられていることが多いのです。一人で悩まず、どんな小さなことでも相談していただきたいと思います。
突発性難聴の予後は、確かに発症時の状態や治療開始のタイミングに左右されます。しかし、それだけがすべてではありません。生活習慣の見直しや適切なケア、そして何より諦めずに治療を続ける気持ちが、予後を少しでも良い方向へ導く力になります。もしあなたが今、不安な気持ちを抱えているなら、いつでも私たちに相談してください。一緒に最善の道を探していきましょう。

