
院長:武智お気軽にご相談ください!
こんにちは、たけち鍼灸整体院・名古屋名東院のたけちです。メニエール病でお悩みの患者さまから「どんな靴を履けばいいですか」というご質問をいただくことがよくあります。一見すると靴とめまいは関係ないように思えるかもしれませんが、実は足元の環境を整えることで症状の予防や軽減につながることがあるのです。
メニエール病によるめまいやふらつきは、突然襲ってくる発作への恐怖から外出そのものが怖くなってしまいます。歩いているときにめまいが起きたらどうしよう、転倒してしまったらどうしようという不安は、日常生活の質を大きく低下させます。そんな中で適切な靴を選び、足裏の感覚を活用することが、実はめまいの軽減や予防に役立つことが分かってきています。


足の裏には多くの感覚受容器があり、バランスを取るために重要な情報を脳に送っています
メニエール病の特徴的な症状であるめまいが起きているとき、私たちの身体は平衡感覚を保つために必死に情報を集めています。通常、バランスを保つための情報源は大きく分けて三つあります。内耳からの平衡感覚、目から入る視覚情報、そして足裏から得られる体性感覚です。
メニエール病では内耳の機能が低下しているため、身体は残りの二つの情報源、つまり視覚と足裏からの感覚に頼らざるを得なくなります。このとき靴の種類をうまく調節することで足裏の感覚を最大限に活用し、めまいを軽減させることができるのです。適切な靴は地面からの情報を正確に足裏に伝え、身体のバランス調整を助けてくれます。
また、不安定な靴を履いていると常に転倒の危険性があり、そのこと自体が精神的なストレスとなって自律神経の乱れを引き起こします。自律神経の乱れはメニエール病の症状を悪化させる要因の一つですから、安定した靴を履くことは身体的にも精神的にも重要な意味を持つのです。
それでは具体的に、足裏の感覚を最大限に活用しながらめまいを予防するための靴選びについてお伝えしていきます。
靴底が厚すぎると地面からの情報が遮断され、足裏の感覚が鈍くなってしまいます。逆に薄すぎると路面の凹凸をダイレクトに受けて足が疲れやすく、小石を踏んだときなどに不快感が強くなります。理想的なのは適度なクッション性を保ちながらも地面の状態を感じ取れる程度の厚みがある靴底です。歩いたときに地面をしっかり捉えている感覚があるかどうかを確認してください。
ヒールが高い靴は重心が前方に偏り、足裏全体で地面を感じることができません。めまいの予防という観点からは、ヒールの高さは3センチ以内に抑え、足裏全体が均等に地面に接することができる靴が理想的です。足裏全体から入ってくる感覚情報が多いほど、脳はより正確にバランスを調整することができるのです。
足の指は歩行時のバランス調整に非常に重要な役割を果たしています。つま先が窮屈な靴では足指が自由に動かせず、地面をしっかり掴む感覚が得られません。立った状態でつま先に1センチ程度のゆとりがあり、足指を動かせるスペースがある靴を選びましょう。足指が自由に動くことで、微妙なバランスの変化に対応しやすくなります。
靴紐やマジックテープでしっかり固定できるタイプの靴は、足と靴が一体化して歩行が安定します。スリッポンやサンダルのような脱げやすい履物では、常に脱げないように無意識に力が入ってしまい、それが足の疲労や全身の緊張につながります。足がしっかりホールドされていると、足裏の感覚も正確に感じ取れるようになります。
雨の日や濡れた床で滑ってしまうことは、めまい症状のある方にとって大変危険です。靴底には滑り止め加工が施されたものや、グリップ力の高いゴム素材のものを選びましょう。地面をしっかり捉えることができる靴底は、足裏からの感覚情報を脳に正確に伝え、バランス維持を助けてくれます。
適切な靴を選ぶことに加えて、日頃から足裏の感覚を意識的に使うことも予防につながります。自宅にいるときは裸足で過ごす時間を作り、足裏で床の感触を感じることを意識してみてください。
また、椅子に座った状態で足の指をグーパーと動かす運動や、タオルを足の指で掴む運動なども効果的です。これらの運動は足裏の感覚受容器を刺激し、バランス感覚の向上につながります。ただし、めまい発作が起きているときは無理をせず、症状が落ち着いているときに行うようにしてください。
市販の靴には万人向けのインソールが入っていますが、個々の足の形状にぴったり合うわけではありません。アーチサポート機能のあるインソールを使用することで、足裏の3つのアーチを適切に支え、足裏からの感覚情報がより正確に脳に届くようになります。
特に扁平足やハイアーチの方は、インソールで調整することで足の疲れが軽減され、結果として全身のバランスも整いやすくなります。当院でも姿勢分析の際に足のアーチ状態をチェックしますが、足部の問題が全身の姿勢バランスに影響を及ぼし、それが首や肩の緊張を引き起こして内耳への血流を悪化させているケースは少なくありません。
逆に、メニエール病の症状がある方が避けたほうがよい靴についても触れておきます。
これらの靴は足裏からの感覚情報を阻害し、バランスを崩しやすくするだけでなく、転倒のリスクも高めてしまいます。
靴選びと同じくらい大切なのが、靴を履く動作そのものです。メニエール病の方の中には、下を向く動作でめまいが誘発されるケースがあります。靴を履こうとして屈んだ瞬間にめまいが起き、転倒しそうになった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような場合は、必ず椅子に座って靴を履く習慣をつけることをおすすめします。玄関に小さな椅子やスツールを置いておくだけで、立ったまま無理な姿勢を取らずに済みます。靴べらを使えば腰を深く曲げる必要もなくなります。朝の忙しい時間帯でも、時間に余裕を持ってゆっくり安全に靴を履くよう心がけてください。
ここまで靴選びの具体的なポイントをお伝えしてきましたが、靴を変えるだけで全てが解決するわけではありません。当院にいらっしゃる患者さまを診ていて常に感じるのは、足元の問題は身体全体の問題と深く関わっているということです。
メニエール病の根本的な原因は内耳のリンパ液の異常蓄積ですが、その背景には自律神経の乱れや血流障害、首や肩の筋緊張など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。足元が不安定だと身体は常に緊張状態を強いられ、それが首や肩のコリにつながり、結果として内耳への血流が悪化する悪循環に陥ることがあります。
当院では姿勢分析ソフトを用いて身体全体のバランスを数値化し、足部から頭部までの連鎖的な問題を見極めていきます。鍼灸整体治療により自律神経系に直接働きかけることで、めまいやふらつきの根本原因にアプローチしていくのです。適切な靴を選ぶことは足元の安定性を高める第一歩ですが、同時に身体全体のバランスを整えることで、より根本的な改善を目指すことができます。
靴選び以外にも、日常生活でできる工夫があります。外出時には転倒のリスクを減らすために、混雑した場所や段差の多い場所を避けるルートを選ぶことも一つの方法です。また、めまいの予兆を感じたらすぐに安全な場所で休憩できるよう、外出先では常に座れる場所を確認しておくことも大切です。
自宅では滑りやすいフローリングにマットを敷く、浴室に滑り止めマットを設置する、階段に手すりをつけるなど、転倒防止の環境整備も重要です。これらの工夫と適切な靴選びを組み合わせることで、より安全な生活を送ることができます。
メニエール病の予防や症状軽減において、靴の種類をうまく調節して足裏の感覚を活用することは非常に有効な方法です。適切な靴は足裏からの感覚情報を脳に正確に伝え、内耳の機能低下を補ってバランスを保つ助けとなります。ヒールの高さ、靴底の厚み、ホールド感、滑りにくさ、つま先のゆとりといったポイントを押さえて、あなたの足に合った靴を見つけてください。
ただし靴を変えるだけでめまいが完全になくなるわけではありません。メニエール病は複合的な原因が絡み合って起こる症状であり、根本的な改善には身体全体のバランスを整え、自律神経の働きを正常化していく必要があります。もし今、めまいの不安から外出が怖い、どんな靴を選べばいいか分からないとお悩みでしたら、一人で抱え込まずにぜひご相談ください。当院では一人ひとりの身体の状態を丁寧に検査し、あなたに合った改善プランをご提案いたします

