
院長:武智お気軽にご相談ください!

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こんにちは、たけち鍼灸整体院・名古屋名東院のたけちです。突然ぐるぐると世界が回るような感覚に襲われて、イスから立ち上がるのも怖くなっていませんか。実はメニエールによるめまいは、お薬だけでなく日常の座り方を少し工夫することで、負担を減らしていくことができます。めまいに悩む方の多くが、仕事中や電車の中で「どう座っていれば楽なのか分からない」と感じています。そんな方に向けて、今日は座り方のポイントを分かりやすくお話ししていきます。詳しい症状や当院の考え方はメニエール病のページも参考にしてください。


座り方を整えることはメニエールの根本治療にもつながる大事な生活習慣のひとつです
まず知っておいてほしいのは、メニエールそのものは内耳のリンパのトラブルで起きる病気ですが、症状の出方は首や肩のこり、姿勢のクセ、自律神経の乱れに大きく左右されるということです。同じ病名でも、座り方や体の使い方が違うだけで、めまいの頻度や強さにかなり差が出ます。
長時間のデスクワークやスマホ操作で背中が丸くなり、頭が前に落ちた姿勢が続くと、首の筋肉がカチカチに固まりやすくなります。この状態が続くと首の周りの血流が悪くなり、自律神経が乱れやすい環境ができてしまいます。内耳の循環にも影響が出るので、結果的にめまいの発作が増えてしまうのです。
逆にいうと、首や肩に負担が少ない座り方を身につけると、血流や自律神経のバランスが整いやすくなります。その積み重ねが、めまいを起こしにくい体の状態を作っていきます。座り方を変えるだけで病気が「完治」するわけではありませんが、「めまいの出にくい体」に近づけることは十分に可能です。
ここからは具体的な座り方のポイントをお伝えします。難しいことは一切なく、ちょっとした意識の積み重ねです。まずは椅子に深く腰をかけることを意識しましょう。浅く腰をかけて背中を丸めていると、首から肩にかけて常に力が入り続けてしまいます。
お尻を背もたれの近くまでしっかり引き、骨盤を立てるイメージで腰を起こします。このとき、背中全体を背もたれに預けて構いません。背筋を気持ちよく伸ばして、胸を軽く開くように座ると、首や肩の余計な力が抜けてきます。肩が自然に下がる位置を探すのがコツです。
足は床にきちんとつく高さに椅子を調整してみてください。かかとが浮いた状態だと、太ももの裏が圧迫されて血流が悪くなりやすくなります。膝が直角か、少しだけ開くぐらいの角度になると腰への負担も少なく、長く座っていても疲れにくいです。小柄な方や足が床に届きにくい方は、足元に台を置くのもひとつの方法です。
仕事中にめまいが怖くて集中できない、という相談をよくいただきます。同じ座り方でも、周りの環境を少し変えるだけで、首や目への負担はグッと減らすことができます。まずは画面と目の高さの関係を見直してみましょう。パソコンの画面が低すぎると、自然と顔が下を向き、首の後ろが詰まりやすくなります。
モニターの上端が目の高さぐらいに来るように調整して、顔を大きく上下に動かさなくても画面が見える位置にセットします。ノートパソコンの場合は、スタンドを使って画面を少し持ち上げるだけでも姿勢がかなり変わります。キーボードとマウスは、肩の力を抜いたまま肘が軽く曲がる距離に置いてください。
もうひとつ大切なのが、作業時間の区切り方です。集中しているとつい何時間も同じ姿勢で座ってしまいますが、これが一番良くありません。目安として、30〜40分ごとに一度立ち上がり、軽く歩いたり、首や肩をゆっくり回したりする時間を作ってみてください。短時間でも体を動かすことで、内耳を含めた全身の血流がリセットされ、めまいを起こしにくい状態を維持しやすくなります。
「今にも来そうで怖い」「ふわふわしてきた気がする」という不安なときにどう座るかもとても重要です。そんなときに無理に踏ん張ろうとするのではなく、まずは安全を確保できる姿勢を優先しましょう。できれば背もたれのある椅子に座り、背中全体をしっかり預けます。
視線をあちこち動かさず、少し遠くの一点を見るようにすると、グルグルした感覚が和らぎやすくなります。足は肩幅ぐらいに開き、床をしっかり踏みしめるようにすると、体が安定します。両手でひじ掛けや机の端を軽くつかんでおくと、身体が揺れるような感覚があるときにも安心感が出てきます。
めまいの強さによっては、座ったまま静かに深呼吸を繰り返すだけでも、自律神経が整っていくのを実感できます。鼻からゆっくり息を吸って、口から細く長く吐き出す呼吸を意識してみてください。焦りや不安で呼吸が浅くなると、余計に頭がふわふわしてきます。「今は休む時間」と割り切って、数分でも良いので体と心を落ち着かせることが大切です。
座り方を工夫するだけでもめまいは減らせますが、本気で楽になりたい方ほど、生活習慣も一緒に整えていくと効果が出やすくなります。メニエールの方を診ていると、睡眠不足や食事の乱れ、仕事のストレスなど、負担がいくつも重なっているケースがとても多いです。
まず意識してほしいのは、睡眠時間と質です。寝不足が続くと自律神経は乱れやすく、内耳の循環も悪くなってしまいます。できる範囲で寝る時間を一定にし、寝る前のスマホやパソコンは控えめにしてみてください。また、塩分のとり過ぎやアルコールの飲み過ぎも、体内の水分バランスに影響しやすく、症状悪化のきっかけになります。
座り方を変えるのと同じように、無理のない範囲で生活リズムを整えていくことが、めまいを減らしていく大事な土台になります。「全部完璧にしなきゃ」と思う必要はありません。できることから一つずつ、少しずつ変えていけば大丈夫です。
当院では、単に首や肩のコリをほぐすだけではなく、自律神経と血流のバランスを整えながら、全身をトータルで診ていくことを大切にしています。内耳に起きていることは、体全体の状態が表面に出た結果でもあります。ですから、耳だけ、首だけを見ていても、根本的な改善にはつながりにくいのです。
そこで、姿勢分析や可動域のチェック、東洋医学的な体質評価などを組み合わせて、どこに負担が集中しているのかを丁寧に見極めていきます。たとえば、首の硬さだけでなく、背骨のしなやかさや、呼吸の深さ、内臓の疲れ具合なども含めて確認します。そのうえで、その方に合った鍼灸と整体を組み合わせてアプローチしていきます。
座り方を工夫することと同時に、全身のバランスを整える治療を行うことで、メニエールによるめまいを減らしていくことは十分に目指せます。これまで「どこに行っても同じだった」と感じていた方でも、原因をきちんと整理していくと、改善への道筋が見えてくることは少なくありません。
治療院での施術は、あくまでスタート地点です。根本改善を目指すうえで欠かせないのが、患者さん自身が自宅や仕事場でできるケアです。そこで当院では、お一人おひとりの生活パターンに合わせた座り方、立ち上がり方、簡単なストレッチなどを一緒に考えていきます。
たとえばデスクワークが多い方には、午後の決まった時間に行う椅子に座ったままの首ストレッチや、ふくらはぎポンプ運動を提案することもあります。立ち仕事が中心の方には、休憩時の座り方や、靴の選び方まで含めてアドバイスします。このように、日常の中で無理なく続けられるケアを組み合わせていくと、少しずつめまいの波が穏やかになっていくのを実感される方が多いです。
「治療院に行ったときだけ楽になる」のではなく、「日常そのものが楽になっていく」ことを目標に、二人三脚で進んでいきたいと考えています。小さな変化でも、一緒に喜びながら積み重ねていきましょう。
メニエールのめまいは、どうしても「いつ来るか分からない恐怖」と隣り合わせになりがちです。その不安を少しでも和らげるために、座り方を整えることはとても大きな意味を持ちます。姿勢を整え、血流と自律神経を安定させることで、めまいの頻度や強さを減らしていくことは十分可能です。
もちろん、座り方だけですべてが解決するわけではありませんが、「自分でできることがある」と感じられるだけでも、心の負担はかなり軽くなります。一人で不安を抱え込まず、分からないことや不安なことは何でも相談してください。あなたの生活や体質に合った座り方やセルフケア、そして鍼灸整体でのアプローチを、一緒に組み立てていきましょう。メニエールに振り回される毎日から、少しずつでも抜け出していけるよう全力でサポートします。

