
院長:武智お気軽にご相談ください!
こんにちは、たけち鍼灸整体院・名古屋名東院のたけちです。突然ぐるぐる回るようなめまいに襲われたり、耳鳴りや聞こえづらさが続いて「もしかしてこれがメニエール病なのかな」と不安になっていませんか。
一度強い発作を経験すると、「またあのめまいが来たらどうしよう」と外出や仕事が怖くなってしまう方も多いですし、まだ診断はついていない段階でも、なんとなく耳や体の違和感が続くと、予防できる方法を探したくなりますよね。そんな方のために、今回はメニエール病の予防というテーマで、睡眠、栄養、そして鍼灸という三つの視点からお話ししていきます。


難しく考えすぎず、今日からできる小さな工夫を積み重ねていくことが、発作の不安を減らす一番の近道だと思っています
まず最初にお伝えしたいのは、メニエール病は「これをやれば完全に防げます」という単純な病気ではないということです。ただし、内耳にリンパ液がたまりやすくなる背景には、睡眠不足や栄養バランスの乱れ、自律神経の不調など、日常生活と深く関わる要素がたくさんあります。そのため、生活習慣を整えることで、発作の頻度や強さを抑えられる可能性は十分にあります。
すでに診断を受けている方にとっては、「予防」という言葉は「再発をできるだけ防ぐこと」とほぼ同じ意味になります。発作を繰り返すたびに聴力が落ちてしまうリスクもあるので、症状が落ち着いている時期にこそ、体の土台づくりをしておくことがとても大切です。この土台づくりの中心になるのが、睡眠、栄養、自律神経へのアプローチとしての鍼灸だと考えています。
毎日の睡眠は、体と脳をリセットするための時間です。ところが現代の日本では、仕事や家事、スマホの見すぎなどで睡眠時間が削られがちです。睡眠が足りない状態が続くと、自律神経が乱れやすくなり、内耳の血流も悪くなります。その結果として、リンパ液の循環がうまくいかず、めまいや耳鳴りのリスクが高くなってしまうのです。
理想的には、毎日同じくらいの時間に寝て、同じくらいの時間に起きるリズムを作ることが望ましいです。寝る時間がバラバラだと、体内時計が乱れ、自律神経も不安定になります。どうしても仕事の都合で睡眠時間が短くなる日がある場合でも、翌日に少し早めに寝るなどして、トータルでの睡眠不足を溜め込まないように意識してみてください。
睡眠の「質」を高める工夫も重要です。寝る直前までスマホを触っていると、脳がなかなか休めず、眠りが浅くなりがちです。理想は就寝の30分〜1時間前には画面から離れて、照明も少し落とし、体と心をゆっくり落ち着かせていくことです。ぬるめのお風呂に浸かる、軽いストレッチをする、深呼吸をするなど、寝る前の小さな儀式を決めておくと、体が「そろそろ寝る時間だ」と覚えてくれます。
もし夜中に何度も目が覚めてしまう、朝起きても全然休んだ気がしないという方は、「眠れていないのに無理をしている」サインかもしれません。そういうときは、頑張って残業するよりも、思い切って早く休む方が、長い目で見ると仕事のパフォーマンスも上がりますし、めまいの予防にもつながります。
次に、栄養のお話です。メニエール病と聞くと「塩分を控えた方がいい」という情報を目にすることが多いと思います。これは、塩分を摂りすぎると体に水分がたまりやすくなり、その影響が内耳にも及びやすくなるからです。ですので、普段から味付けを少し薄めにする、加工食品やインスタント食品を控える、外食続きにしないといった意識づけはとても大切です。
ただ、「とにかく塩をゼロにすればいい」という話ではありません。必要な分のミネラルまで極端に減らしてしまうと、逆に体調を崩してしまうこともあります。醤油や味噌を使うときに「一度にドバッとかけない」「料理の段階で控えめにして、卓上の追加はなるべくしない」といった小さな工夫から始めると、無理なく続けやすいです。また、昆布やかつお節などの出汁の旨味を活かすと、薄味でも満足感のある食事になります。
カフェインやアルコールも、摂りすぎると内耳への血流に影響したり、水分バランスを乱したりすることがあります。コーヒーやエナジードリンクを何杯も飲むのが習慣になっている方は、「まずは一日一杯だけ」「午後はノンカフェインに変えてみる」といった具合に、少しずつ減らしていくのがおすすめです。お酒も、週末だけにするとか、量を意識してみるだけでも体への負担はかなり変わってきます。
栄養素の面では、ビタミンB群やビタミンC、マグネシウム、鉄などが、自律神経や神経全体の働きを支える役割を持っています。肉や魚、卵、豆類、緑黄色野菜、果物などをバランスよく食べることを意識してみてください。ダイエットで極端に食事量を減らしてしまうと、必要な栄養が足りなくなり、かえってめまいやふらつきを招くこともあるので注意が必要です。
当院では、必要に応じて血液検査のデータなども参考にしながら、栄養面でのアドバイスも行っています。自分ではバランスよく食べているつもりでも、実は特定の栄養素が不足していた、ということも珍しくありません。食事は毎日のことですから、ここを整えるだけでも、メニエール病の予防や再発防止にとって大きな土台になってくれます。
睡眠と栄養で「体の土台」を整えながら、もう一つ意識していただきたいのが、自律神経への直接的なアプローチとしての鍼灸です。メニエール病の多くの方に共通しているのが、首や肩の強いこり、背中の張り、呼吸の浅さなど、緊張状態が続いているサインです。この状態では、どれだけ睡眠時間を確保しても、体がうまく休めないことがあります。
鍼灸では、首や肩、背中周り、そして全身のツボを使って、こわばった筋肉をゆるめ、血流を改善していきます。内耳に血液を届けているのは、首の深いところを通る細い血管です。ここが周囲の筋肉の緊張で圧迫されていると、どうしても内耳の環境が悪くなってしまいます。当院では、首や肩だけでなく、骨盤や背骨の動き、姿勢全体を確認しながら、「どこが内耳の負担につながっているのか」を見極めて施術を組み立てています。
また、鍼灸の大きな役割として、自律神経のバランスを整えるという点があります。ストレスが続くと交感神経が優位になり、常に体が緊張モードになってしまいますが、適切なツボ刺激によって副交感神経が働きやすくなると、体が「休んでいいよ」というモードに切り替わってきます。そうすると、睡眠の質が上がったり、胃腸の働きが整ったり、結果的に内耳への負担も減っていきます。
中には、初回の施術で「頭の中のモヤモヤがスッと引いた」「ぐらつく感じが軽くなった」と変化を感じる方もいらっしゃいますし、回数を重ねることで、「最近そういえば強い発作が出ていない」という状態を目指していくこともできます。もちろん個人差はありますが、長年悩んでいた耳の症状と睡眠の問題が同時に軽くなっていくケースも少なくありません。
ここまで読んでいただいて、「結局何から始めたらいいの?」と感じた方もいると思います。完璧を目指す必要はありません。むしろ、一度に全部を変えようとすると続かなくなってしまいます。なので、まずは自分が一番取り組みやすいところからで大丈夫です。
例えば、今かなり寝不足が続いている方なら、「まずは30分だけでも就寝時間を早めてみる」「寝る前のスマホ時間を減らす」といった睡眠から。食生活に心当たりがある方なら、「毎日飲んでいた甘い缶コーヒーをやめてみる」「インスタント食品の回数を減らしてみる」といった栄養面から。体のこりやストレスの強さを感じている方は、鍼灸で一度体をリセットしてから、生活習慣の見直しを一緒に考えていくという流れでも良いと思います。
大事なのは、睡眠・栄養・鍼灸という三つの方向から少しずつ整えていくことで、内耳にとって「発作を起こしにくい環境」を作っていくことです。どれか一つだけを頑張るよりも、三つをバランスよく組み合わせることで、体は着実に変わっていきます。
当院では、初回の問診や検査で、今の体の状態や生活習慣、仕事の状況などを詳しく伺いながら、「この方にはどこから手をつけるのが一番無理がないか」を一緒に考えていきます。同じメニエール病でも、原因の組み合わせは一人ひとり違うので、その方に合った優先順位を決めていくことが大切だと感じています。
メニエール病は、周りの人からはなかなか辛さが伝わりにくい症状です。検査で異常が少なく出てしまうこともあり、「気のせいじゃないの?」と言われて傷ついたというお話もたくさん聞いてきました。それでも、あなたが感じているめまいや耳鳴りの不安は、確かにそこにある現実です。
睡眠の見直しも、栄養の調整も、鍼灸によるケアも、一つひとつは大きなことではありません。ただ、それらをコツコツ積み重ねていくことで、「今日は以前よりも少し楽かもしれない」「最近あの強い発作が来ていない」と感じられる日がきっと増えていきます。そうなれば、仕事や家事、外出に対する不安も、少しずつ薄れていくはずです。
もし今、「このまま仕事を続けられるのかな」「将来、耳が聞こえなくなってしまうんじゃないか」といった不安で心がいっぱいになっているなら、一人で抱え込まずに、いつでも相談してください。あなたの生活や体質に合わせて、どこから整えていくのが良いのか、一緒に作戦を立てていきましょう。

