
院長:武智お気軽にご相談ください!

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こんにちは、たけち鍼灸整体院・名古屋名東院のたけちです。今回は「背骨を通じて脳と体がつながる?神経のはたらきの話」というテーマでお話しします。私たちの体は脳だけでなく、背骨の中を通る脊髄という神経の束によって、脳と全身がつながっています。


背骨と脳とからだと神経の話をわかりやくお伝えします
普段あまり意識しないかもしれませんが、この神経のはたらきが、私たちの動きや感覚、さらには健康に大きく関わっています。この記事では、脊髄の基本的な構造や役割、そして背骨との関係についてわかりやすく解説します。


脊髄は、脳の延髄から腰のあたりまで伸びている、長さ約40~45cmの太い神経の束です。背骨の中の脊柱管というトンネルの中を通り、脳からの指令を全身に伝えたり、体の感覚情報を脳に送ったりする役割を持っています。
脊髄は31対の神経を出していて、それぞれが体の特定の部分を支配しています。運動神経は筋肉を動かすための指令を伝え、感覚神経は皮膚や筋肉からの情報を脳へ送ります。また、自律神経は内臓の働きや体温調節などをコントロールしています。
脊髄は非常に繊細な組織なので、背骨がしっかり守っています。背骨は24個の椎骨が積み重なってできており、それぞれの骨の間にはクッションの役割をする椎間板があります。
この構造があることで、背骨は曲げたり伸ばしたりと柔軟に動くことができるのです。背骨は横から見るとS字状のカーブを描いており、これが頭の重さや体の動きをうまく支えています。
脊髄の断面は楕円形で、中心には脳脊髄液が流れる管があります。その周りに灰白質がH字型に存在し、その外側を白質が囲んでいます。灰白質の中には運動神経細胞や感覚神経細胞が集まっており、脳からの指令を筋肉に伝えたり、感覚情報を脳に送ったりしています。白質は神経線維の束で、脳と体の間の情報を高速でやり取りしています。
この神経のネットワークは、私たちの体の動きや感覚をスムーズにするために欠かせません。例えば、手を動かしたいと思ったとき、脳からの指令は脊髄を通って腕や手の筋肉に届きます。
逆に、手に触れた感覚は感覚神経を通じて脊髄から脳へと伝わります。この双方向の情報伝達が、私たちの体の動きや感覚をリアルタイムで調整しているのです。
脊髄と背骨は密接に連携して、体の動きを調整しています。背骨は脊髄を守るだけでなく、体を支える骨格としての役割も果たしています。椎間板や靭帯がクッションや安定装置の役割を担い、背骨が適度に動くことで脊髄が圧迫されずに神経信号をスムーズに伝えられるのです。
また、脊髄には反射機能もあります。これは、危険を感じたときなどに脳を経由せずに素早く筋肉を動かす仕組みです。
例えば、熱いものに触れたときにすぐ手を引っ込める動作は、この反射によるものです。こうした反射は、脊髄が脳と体をつなぐだけでなく、体の安全を守る役割も持っていることを示しています。
脊髄は非常に重要な神経の束ですが、傷つくと感覚や運動機能に大きな障害が出ます。特に首の部分(頚椎)や腰の部分(腰椎)は負担がかかりやすく、ここに問題が起こると手足のしびれや痛み、さらには麻痺が生じることもあります。
脊髄は一度損傷すると修復が難しいため、日常生活でのケアや早期の専門的な治療が大切です。
背骨の中で脊髄が通る脊柱管が狭くなると、脊髄が圧迫されて痛みやしびれが出ることがあります。こうした症状は放置すると悪化することもあるため、気になる症状があれば早めに専門家に相談することをおすすめします。
最新の研究では、脳と脊髄が筋肉と別々の感覚運動ループを形成し、動的な動きと静的な動きを使い分けていることがわかってきました。動的な動き、例えば物をつかんだり動かしたりするときは脊髄が筋肉と強く連携し、静的な動き、例えば物を保持しているときは脳の運動野が筋肉をコントロールしているのです。
このように脊髄は単なる情報の通り道ではなく、筋肉の動きを細かく調整する役割も持っています。脊髄と脳の運動野は互いに信号を送り合いながら、私たちがスムーズに動けるように働いています。
この理解は、脊髄損傷や脳損傷のリハビリテーションや運動機能回復の治療法開発に役立つと期待されています。
背骨と脊髄は、私たちの体の健康と動きを支える重要な存在です。脳からの指令を伝え、感覚を受け取ることで、日常の動作や姿勢を調整しています。だからこそ、背骨や脊髄のケアは健康維持に欠かせません。何か不調を感じたら、早めに専門の治療院で相談し、適切なケアを受けることが大切です。