自律神経の乱れ　交感神経と副交感神経のバランスが崩れるとどうなる？

たけち鍼灸整体院・名古屋名東院、院長のたけちです。今日は多くの方からご相談をいただく「自律神経の乱れ」についてお話しします。最近、なんとなく体調が優れない、疲れが取れない、イライラしやすいなどの症状でお悩みではありませんか？

院長：武智

自律神経の乱れについて私が詳しくお話しします

これらの症状は、もしかすると自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。自律神経は私たちの体を24時間休むことなく支えている大切な神経です。この記事では、交感神経と副交感神経のバランスが崩れるとどのような影響があるのか、私の臨床経験をもとに詳しくお話しします。

自律神経とは何か？

自律神経は、私たちが意識しなくても自動的に働いている神経システムです。心臓の鼓動、呼吸、消化、体温調節など、生命維持に欠かせない機能をコントロールしています。

この自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経から構成されています。車に例えると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキのような役割を果たしています。

交感神経は主に昼間や緊張している時に活発になります。心身をアクティブにして、血管を収縮させ血圧を上昇させ、呼吸を早くして活動モードに切り替えます。一方、副交感神経はリラックスしている時や夜間に活発になり、血圧を下げ呼吸を穏やかにして休息モードへと導きます。

健康な状態では、この2つの神経が1日のリズムに合わせて交互に働き、体のバランスを保っています。しかし、現代社会では様々な要因によってこのバランスが崩れやすくなっているのが現状です。

現代社会で特に多く見られるのは、交感神経が働きすぎて過緊張になる状態です。仕事のストレス、人間関係の悩み、不規則な生活習慣などが原因となって、常にアクセルを踏みっぱなしの状態になってしまいます。

オーバーワークが続くと、最初は副交感神経も頑張ってバランスを取ろうとします。しかし、そうした状態が長期間続くと、副交感神経が疲弊してしまい、機能が低下してしまうのです。

副交感神経の働きが落ちると、まず睡眠に影響が現れます。よく眠れなくなり、その結果さらに疲労が蓄積し、全身に様々な不調が出てくるという悪循環に陥ってしまいます。不眠や睡眠の質の低下は、自律神経からの重要なSOSサインなのです。

自律神経のバランスが崩れると、全身に様々な症状が現れます。これは、自律神経が体のすみずみに張り巡らされ、内臓や器官の働きを調整しているためです。

頭部では、頭痛や頭重感、めまい、立ちくらみ、耳鳴りなどが起こりやすくなります。循環器系では、動悸や息切れ、胸の苦しさ、血圧の変動などが見られます。交感神経が優位になると血管が収縮して血流が悪くなり、手足の冷えやしびれも起こりやすくなります。

消化器系への影響も深刻です。食欲不振、吐き気、胃もたれ、腹痛、下痢、便秘など、消化に関わる様々な症状が現れます。また、筋肉系では肩こりや腰痛、全身の疲労感や倦怠感も特徴的な症状です。

その他にも、頻尿や残尿感、発汗異常、手足のほてりなど、実に多彩な症状が現れる可能性があります。これらの症状は単独で現れることもあれば、複数が同時に起こることも珍しくありません。

自律神経の乱れは、身体症状だけでなく精神面にも大きな影響を与えます。体の不調に伴って、心の状態も不安定になりやすくなるのです。

不安感やイライラが増強し、些細なことで感情的になったり、他人の何気ない言葉に過敏に反応したりするようになります。気分の落ち込みや憂うつ感、やる気の低下、興味や関心の減退なども現れやすくなります。

集中力が続かなくなり、仕事や家事に支障をきたすこともあります。また、不眠症状も精神面に大きく影響し、日中の活動能力を低下させる原因となります。

症状がいくつも重なって現れたり、日によって違う症状が出たりすることも特徴的です。このような状態が続くと、さらにストレスが増加し、自律神経の乱れが悪化するという悪循環に陥ってしまいます。

長年の臨床経験を通じて、多くの患者様が「どこに相談すればいいのかわからない」という不安を抱えていらっしゃることを知りました。検査では異常がないと言われても、つらい症状が続いている方も少なくありません。

そのような患者様に対して、私は「あなたの症状は確かに存在するものです」とお伝えしています。自律神経の乱れは目に見えない症状だからこそ、周囲の理解を得にくく、一人で悩みを抱えがちです。しかし、適切な治療とケアによって改善できる症状なのです。

どんな小さな症状でも、遠慮なくご相談ください。あなたの「つらい」という気持ちに寄り添い、希望の光を見つけるお手伝いをさせていただきます。